
AIの能力は日進月歩で急激な伸びを見せているが、かくいう私も、もう仕事においてはAIなしの世界に戻れない!というほど依存してしまっている。AIを常用しすぎると、自身で考える能力が落ちてしまうのではないかという危惧を何となく抱くものの、AIによりあっという間に問題が解決し仕事が捗ることから、「仕事のアウトプットは増えているから良いではないか」と言い聞かせている次第である。
とは言え、資料作成や文書作成でAIを利用する際は、最終段階で内容をすべてチェックし適宜修正を行うことから、仕事のクオリティとしては結局AIを操る人間のキャパに依存するに違いない。
と、思ってはいるのだが、アプリ開発、特にコーディングにおいては、もう人間が入り込む余地がないのではないかという事態になってきている。そう思い知った体験談をここに残しておこう。
とあるアプリのサービス終了
きっかけはこの記事だ。
「Video & TV SideView」アプリ サービス終了(2027年3月30日)のお知らせ
Video & TV SideViewは何かというと、自分が普段使っている機能にフォーカスして言うと、家の外からSONYのBlu-Rayディスクレコーダーにスマホから指令を飛ばして、予約録画などができる便利モノだ。
別に自分はテレビっ子ではないが、SNSなどで科学番組やドキュメンタリーなどの話題で盛り上がっているのを見ると念のため録画しておきたくなる。そこでこのアプリを使うと勤務中の会社や外出先から、家のレコーダーを簡単に操ることができるのだ。
例えば、以下のような操作手順になる。



1枚目は良くある番組表だ。よく見ると分かるが、NHK 23:45の「新プロジェクトX」に赤丸の印があるが、これは予約録画設定がされている印である。
2枚目は、試しに番組表の右で半分見切れている「真田十勇士」という番組をクリックした画面だ。細かい番組内容の説明や、出演者などが表示される。録画したいと思ったら、右下の「録画予約」のボタンをタップすればよい。
すると3枚目のような録画設定の画面が出てくるので、確定ボタンをタップして終わりだ。
このように簡単に外出先から録画予約が出来るので、かなり重宝していた。
が!これが使えなくなるのだ!
このサービス停止のニュースが発表された際には、Xでは阿鼻叫喚、多数の嘆きの投稿がなされたと記憶している。
録画設定位で騒ぐなって? いやいや、自分は使ってはいなかったが、録画しておいた番組を短時間にスマホに転送し、通勤中にスマホで番組が見られる等々、多数の便利機能が搭載されていたからだ。
- アプリのリモコン機能
- 録画予約(ホームネットワーク内から)
- 外から録画予約
- 外からどこでも視聴
- 家じゅうどこでも視聴
- ワイヤレスおでかけ転送
* スマートフォン等に転送済みのコンテンツにつきましても、サービス終了後は再生できなくなります。 - その他、アプリ内のすべての機能
* 上記機能は対応製品により異なります。記載の機能の一部は、製品によっては対応していない場合がございます。
自分も困ったなぁ・・・とは思い、代替案を色々探っていたものの、今一つしっくりしない。
そこでAIの登場である。
ないなら自分で作ってしまえ!(あ、いやいや「AIに作らせてしまえ!」)である。
Codexによるアプリ開発
AIといっても、色々な種類があるのだが、自分はChatGPTでおなじみのOpenAI社のAIをよく使っており、$20/月の有料プランのサブスクリプションを利用している。
巷では、Cloudが良いなどいろいろな話が飛び交っているが、新たにまた有料サービスを契約するのも憚られるし、一瞬悩んだがChatGPTのアプリ開発版のCodexを利用することにした。
まずは、どんなアプリを作りたいか、指令書を作らなければならない。
以下、PROJECT.mdとAGENTS.mdの一部分飲み抜き出したものだ。


因みに、PROJECT.mdは「何を作るか」を記述する文書、AGENTS.mdは「Codexにどう作業させるか」を指示する文書である。
PROJECT.mdの冒頭には
「Sony Blu-rayレコーダー BDZ-FBW1100 に対し、Sony「Video & TV SideView」に近い録画予約管理機能をブラウザで提供する。番組表、番組検索、お気に入り出演者、録画予約の登録・一覧・削除・一時停止(予約情報を保持した保留)、競合警告を一体化する。家庭内だけでなく、外出先のスマートフォンから安全に利用できることを最終目標とする。」
と記載してある。その後ろは、とにかく細かい指示を出して、思い通りのアプリを作るための設計書だ。
え?!こんな細かい指示書を作らないといけないの?!
と思うかもしれないが、ご心配なく。この指示書もChatGPTに書いてもらったものだ!
(といっても、「これやりたい」「こうしたい」「こんな感じの画面に…」とか、口語体で色々と要求を書き付けていく必要はある。単純に「PROJECT.mdを書け!」といって出てくるものではない)
感動の完成品
で、なんだかんだで出来上がったので、画面を中心にお披露目。
いやぁ~思った以上の出来栄えで、もうVideo & TV SideView要りません!
しかも開発時間は、仕事の合間にチョイチョイやってたので半日を費やしたが、実質2~3時間程度でできたと思う。
にしても自分で作ったアプリの方が痒い所に手が届いてて、使い勝手が良すぎる!!
という訳で、Video & TV SideViewを横に並べて比較していく。


これは番組表。左のSideViewアプリでは「新プロジェクトX」に赤丸の印が付いているが、右の自作は薄い緑でグリッドに色を付けている。
お次は、同じく「真田十勇士」をタップした画面(特に真田十勇士にこだわりはない。たまたまランダムにタップしたのがそれだっただけだ)。


番組の詳細が表示される。なぜか右の自作の方が情報量が多い。自作の方もスクロールすれば、出演者情報が出てくる。右下に録画予約のボタンがあるのも同じだ。早速タップしてみる。



タップすると1枚目のSideViewアプリでは録画の設定画面になり、確定ボタンで予約録画が完了する。
2~3枚目の自作の方は、同時間帯の他の予約との重なりを念のため表示してから、録画の設定に移行する作りにしており、2画面構成だ。なお自身のレコーダーは同時に2番組までの録画可能であり、仮に3番組重なる場合は「確認画面へ」ボタンがグレーアウトして押せないようになっている。どうしても予約した場合は、予約一覧から何れかを削除するか、録画の一旦保留を行う。
というわけで、CodexによるVideo&TV SideViewの代替ソフトを作ってみたが、あまりに簡単に出来てしまったので驚いてしまった。
冒頭に「コーディングにおいては、もう人間が入り込む余地がないのではないか」と書いたが、文書やパワポの資料をAIに作らせるのとは違い、人間は、一切ソースコードを読む必要もなく、ただひたすら上がってきたアプリを弄り倒し、ここが違う、あーでもない、こーでもないとAIに不平不満をぶつけてブラッシュアップしていくだけだ。
本当に楽な世の中になったものだ。これで失業するエンジニアも結構いるんだろうなと思ったが、いやいや、AIを下僕として使い倒し、如何に早く、如何に高品質のアプリを作るかについて、やはりコーディングを極めた人の方が長けているのだと思う。
さて、次は何を作るかもうターゲットは決まっており、また時間が出来たらAIに作らせてみようと思う。