G20 BMWはエンジンを止めた駐車時にもネットワーク越しにサーバと通信しており、特に自動車のソフトウェアアップデートは頻繁にあるようで、車に乗りこむ際に結構な頻度で「XXXをアップデートしました!」ってな感じでディスプレイにメッセージが出る。ある時は、スピード表示の表記含め全てのフォントが変わってしまって驚いたことがある。
ところが先日、「ソフトウェアのアップデートをしたいが、バッテリー容量が足りないので長時間ドライブするか充電しろ!」と言われた。

うわー、なんか面倒。電気使いすぎなんだよ!しかも駐車時に!お前はiPhoneのOSアップデートか?!
しょうがないので、後ろのトランクの真ん中に鎮座するバッテリーに、さっき買ってきたチャージャー(CTEK MXS5.0JP)で充電。

見ての通り、いわゆるバッ直という方法でクリップを直接バッテリーに接続して充電し、4時間で無事に満充電となった。
充電方法でちょっと迷ったのだが、バッテリーへの接続は、本来はボンネットを開け、そちら側にあるジャンプスタート端子(+端子とボディーアース)に繋げるのが正しいやり方だ。
そらそうだ。バッテリーはトランクの下にあり、フロアトリムパネルで塞がれているので、それを内張はがしなどの工具を使って引っ剥がさないとバッテリーにアクセスできないからだ。

色々ググっていると、このボンネットのジャンプスタート端子経由だとトランクのバッテリーまでの距離が遠く電圧降下が起きてしまい、満充電まで時間が掛かるという記載があった。ということでバッ直で充電したのだが、別のブログによれば、バッ直はIBS (intelligent battery sensor) というセンサー経由で電流が流れないため、IBSのあずかり知らぬところでバッテリーが充電されることになり不具合が出るというのだ (注1)。
とはいえ、トランク経由の充電は家庭用電源から繋いでトランクを閉めて放置できるので、これはこれで便利だ。ボンネット経由だとこうはいかない。

さらに、CTEK MXS5.0JPにはこんな丸い端子ケーブルも付随しており、これをバッテリーに常設しておけば、充電したい時に左側のCTEKのコネクターを接続すれば楽に「放置充電」ができる。

この常設端子をどう接続するのが正しいのか、色々調べたところ、やはりIBSを経由しない充電はよくないらしい。この辺のPDFで接続図を見たり、IBSに関する説明を読んで理解に至った。
https://www.bimmer-service.com/bmw-3-g20/bmw-3-g20-320i-wiring-diagram/?utm_source=chatgpt.com#gsc.tab=0
では、IBSはどこにあるのか?そこが問題となる。さらに上記のPDFを読み進めていると、なんと!IBSはバッテリーのマイナス端子の横にあるではないか!(注2)

つまり、この赤丸の位置よりバッテリー側の端子で充電するとIBSに認識されないのだ。
従い、下図の通り、IBSから離れたボディーアースにマイナス端子を接続しなければならない。

電気的にはどちらでもバッテリー充電されるが、NG側に繋ぐとIBSは外部からの充電を検知できない。
IBSが「どこを基準に電流を観測しているか」が重要であり、ボディアース接続はボンネット側のジャンプスタート端子接続同様、IBSを基準にした想定経路になる。しかしバッテリーのマイナス端子直結、いわゆるバッ直では、 IBSから見ると“いきなりバッテリーに何か足された”状態”になるのだ。
従い、CTEK MXS5.0の丸端子は下図のように接続しなければならないということだ。緑の破線は電流の流れを示しており、IBSを経由していることが分かる。

まぁ、言われてみれば、バッテリー上がりの際に他の車のヘルプでバッテリー同士を接続する際は、バッテリーのマイナス端子ではなくボディーアースというのが定石。なぜマイナスを端子直結にしたかといえば、他の人のブログでそういった写真が幾つもあったし、CTEKの説明書でもそのような説明図になっていたからだ。
一応擁護しておくと、一番初めの写真や丸端子ケーブルの写真でも分かるが、MXS5.0に付属のケーブルが短いのである。プラス端子に繋いだ後、一番近いマイナス点を探しても、結局バッテリーのマイナス端子しかないのだ。バッテリーの右側は絶縁のために完璧に塗装されておりボディーアース接続できそうなところがない。唯一のボディーアース可能な場所はバッテリよりさらに左。届くわけがない。
(ただ後から気づいたのだが、MXS5.0の説明書には小さい文字で「ボディーアースに接続」と書いてあった!おい、図もそうしろよ!ケーブルも長くしろよ!)

ただ、常設ではなく、充電時のみクリップで挟む場合は、IBSのちょっと左(上図)でも良いと思う。これなら忌まわしきMXS5.0のケーブルでも届く。
という訳で、これでトランク側からの充電により電圧降下もせず、さらにトランクを閉めた放置充電が可能となる。
他の人のブログでも「IBS経由じゃないといけない」との記事も多く見たが、IBSの位置と電流の流れに言及したものは見つからなかった。なのでそれらの記事では、IBS経由=ボンネット開けてのジャンプスタート端子からの充電・・・という流れが多い。
今回の調査で、IBSの位置も分かったしメチャクチャすっきりした!
明日、常設用の端子付けようっと!あ、ケーブル延長の工作もしなきゃならんか・・・・。
注1:バッ直による不具合といっても何かが壊れるといった甚大な問題を引き起こすわけではない。バッ直で充電するとIBSの計測条件から外れることにより、充電量の積算がズレてSoC(充電率)推定が狂う。そして実害としては、アイドリングストップの復帰が遅い、「バッテリー充電不足」判定が出やすい、充電制御が過敏になる、謎の省電力モードが入る といった事態が引き起こされる。1~2回のバッ直ではほとんど実害は発生しないと思われ、あまり気にするほどではないだろう。↑戻る
注2:上ではIBSはバッテリー端子の「横」にあると表記したが、正確にはバッテリーのマイナスポールに直接挟んでいるクランプ部分がIBSである。その証拠に該当するBMWのアッセンブリー部品は “Battery negative terminal with IBS” という名称で登録されており(下図)、クランプとIBS、ボディーアースケーブルは一体品扱いである。↑戻る
